リス
リスの毛皮があると聞くと、ペットとしてよく見かけるシマリスを想像して、驚く方もいるかもしれません。実際の製品を見ていただくと、しましまの模様はありませんから、シマリスではないことをわかっていただけると思います。では、どのようなリスが毛皮に利用されるのでしょう?リスの毛皮についての情報をまとめてみました。
毛皮に使われるのはどんなリスなの?
ペットでよく見るシマリスではなく、毛皮には主にキタリスが利用されています。キタリスはヨーロッパやロシアに生息するリスです。その中でも最高品質とされるのはブルーグレーの毛を持つシベリア産のロシアリスで、それ以外は染色して使わることが多いようです。ロシアリスは「ロリス」と略して呼ばれることもあります。
長い歴史を持つリスの毛皮
リスの毛皮は中世ヨーロッパの王侯貴族に非常に愛され、黒ヒョウと並ぶ高級毛皮の一つでした。主に衣服の裏地に用いられたり、マントに利用をされました。キタリスは体長22センチほどしかありませんから、マント1枚を作るのにも数百匹のリスを必要としたため、権力の象徴とされたそうです。とくに腹部の白色の毛皮は「ヴェア」と呼ばれ珍重されましたが、それを図案化したものが、そのままヴェアという紋章にもなっています。ちなみに、背中側の毛皮は「グリ」と呼びます。
リスの毛皮の特徴
リスの毛皮は短毛ですが、緻密で、肌触りの柔らかいことが特徴です。毛の色については、基本的には背中がグレーで腹側が白ですが、地域によって色の濃さに差があります。染色しない場合、白い毛と灰色の毛が、まだらに生えているように見えるのも特徴です。
リスの毛皮は非常に軽く、保温性に優れているため、コートや大判のストールなどに利用をされます。
リスの毛皮製品は非常に多くのリスを利用します。そこから考えてもわかるとおり、この毛皮は貴重な財産であり、資源となりますから、ぜひ大切に扱っていただけたらと思います。このサイトでは毛皮の取り扱い方法について、また、古くなった毛皮の活用方法なども紹介をしていますので、そちらの記事も、ぜひご覧になっていただくことをおすすめします。