【あなたの毛皮は大丈夫?】大事な毛皮を長もちさせる保管方法

シーズンオフになった毛皮をしまう前には、どのような準備が必要でしょうか?毛皮の保管方法、収納方法をこの記事ではご紹介します。

「自分でできる毛皮のお手入れ方法」という記事では、着用中にできる毛皮の管理方法についてご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。)

クリーニングをしてから保管しましょう!

クローゼットに長期間しまう前には、汚れをしっかりと取り除いておくことが大切になります。汚れがついたままにすると、カビや虫害によって毛皮を傷めてしまうからです。

そして、毛皮をクリーニングに出す場合は必ず「パウダークリーニング」を指定しましょう。毛皮にドライクリーニングをしてしまうと、毛皮に含まれる油脂分までが取り除かれ、硬くなって破れたり、毛のつやが失われてしまうので、絶対に行わないでください。

毛皮は「パウダークリーニング」!これだけは覚えておいてください。

■パウダークリーニング法とは?
カエデやトウモロコシの芯などの天然素材のパウダーを利用したクリーニング方法です。パウダーに洗剤を染み込ませ、毛皮と一緒に回すことで、毛皮の汚れをパウダーに吸着させて取り除きます。

また、クリーニングに出す前には毛皮の状態をチェックしましょう。クリーニングの前後には、クリーニング店の方と一緒に状態を確認することも大切です。これは、クリーニングによって起きる可能性のあるトラブル(損傷など)を判断するためにも必ず行いましょう。

■クリーニングでの確認事項一覧

  1. 毛皮の種類は何か?
  2. 購入時期はいつ頃か?
  3. 襟元や袖口など、ダメージを受けやすい部分にスレや破れはないか?
  4. 毛の状態はどうだろうか?変食やシミはどうだろうか?
  5. 皮の状態はどうだろうか?縮みや硬化、劣化などはないだろうか?
  6. 縫製の状態はどうだろうか?ほころんでいる部分はないだろうか?
  7. 害虫やカビによる傷みはないだろうか?
  8. 毛皮に「におい」はついているだろうか?
  9. 裏地やボタン、ファスナーなどの状態はどうだろうか?

毛皮のコート

……さて、無事にクリーニングから返ってきた毛皮を保管する際にも、まだまだ注意するべきことがあります。

保管時の注意点

においに注意
毛皮はにおいを吸着しやすいので、保管場所の臭気には注意しましょう。

においの成分(化学物質)により、なめしに使われた薬品が化学変化を起こす場合もありますし、シミや変色を起こすこともあります。毛皮のことを思っていれた防虫剤が、逆に毛皮を傷めることもあります。注意してください。

光やほこりに注意
太陽光や蛍光灯の光に含まれる紫外線は、毛皮を変色、褪色させる原因になります。また、ほこりは毛皮を傷め、毛抜けを起こす原因になります。毛皮を保管する際には、通気性のあるカバーをかけると光やほこりによって起きるトラブルを避けることができます。

カビや虫に注意
カビは温度20度〜40度、湿度70%以上で発生しやすくなります。毛皮の保管場所の適切な温度は10℃以下、湿度は約50%と言われています。毛皮の保管には冷暗で通気のいい場所を選びましょう。湿気を下げるために除湿剤を使おうと思われる場合には、塩化カルシウム系の除湿剤は避けてください。毛皮に溶液が付着すると皮が硬化して破れることがあります。

また、虫を避けるには防虫剤を活用するのがいいのですが、防虫剤は2種類以上を同時に使わないように注意してください。化学変化を起こしてシミの原因になる場合があります。

圧迫に注意
毛皮は強い圧迫を受けたままにすると、毛にくせがついてしまいます。なるべくゆったりとしたスペースを用意し、保管してあげてください。コートやジャケットなど、ハンガーにかける場合は、幅の広いハンガーにかけることで、型崩れを防ぐことができます。

以上が毛皮の保管方法の注意点でした。大切に管理した毛皮製品は、また次のシーズンに活躍させることができます。ぜひ、日頃からのお手入れと、シーズンオフには特別なお手入れを心がけてください!