ビーバー
高級な毛皮の一つであるビーバー。写真を見ると、そんなにすばらしい毛皮を得ることができるようには見えないかもしれませんが、その毛皮は極上の一品なのです。では、どうしてビーバーが優れた毛皮の材料となるのでしょうか?その理由や歴史について調べてみました。
ビーバーとは?
丈夫な歯で木を切り倒し、川にダムを作ることで有名な大型の齧歯類です。同じ水生の齧歯類であるヌートリアによく似ていますが、ビーバーのしっぽはしゃもじのように平たくなっていますから、すぐに見分けることができます。ビーバーにはヨーロッパビーバーと北米に生息するアメリカビーバーがいますが、毛皮として流通しているのは、主にアメリカビーバーの物です。
毛皮のために乱獲される
17世紀以降、柔らかいビーバーの毛皮は、帽子の材料として頻繁に用いられていました。その帽子は、毛皮そのものを使うのではなく、ビーバーの毛をフェルト状にして利用した物で、非常に滑らかで美しい質感と、高い保温性を持ち合わせていましたから、当時の紳士たちの間では必須のファッションアイテムであったようです。そのため、ビーバーの乱獲がすすみ、19世紀になると、もはや絶滅寸前にまで追い込まれてしまいます。ビーバーの毛皮の供給量が減ったことにより、その代用品としてシルクハットが考案されました。これにより、ビーバーの毛皮の需要も落ち着きを見せ、現在では、アメリカやカナダで保護法が成立し、ビーバーが絶滅しないように守られています。
ビーバーの毛皮の特徴
写真のビーバーからは想像できないかもしれませんが、褐色の硬い刺毛の下には、白色のもこもことした細い綿毛が密集して生えています。この綿毛は、水の中で長時間暮らすビーバーの皮膚を水から守り、保温しています。ですから、ビーバーの毛皮は非常に暖かいのが特徴です。また、ビーバーの綿毛は非常に肌触りがいいため、通常は硬い刺毛を抜くか、刈り毛をし、綿毛のみにして利用をされます。
耐久性と保温性に優れるビーバーの毛皮は、コートやジャケットなどに好んで加工をされます。また、元が白色ですから、染色して用いられることが非常に多いです。
ビーバーは乱獲の歴史があり、毛皮の生産量も限られているため、貴重な毛皮です。もし、現在ビーバーの毛皮をお持ちであれば、より一層大切にしたいと思われたのではないでしょうか?毛皮製品は大事に扱えば、将来的にリフォームをすることもできますし、高価にて買取をしてもらうこともできます。そのための役立つ情報は、このサイトでも紹介をしていますので、ぜひそちらもご覧になってみてください。